ご依頼者様
営業代行会社を経営する経営者様。
お父様から会社を引き継ぎ、会社としては20年以上経営されている。
会社の業務内容は、企業に代わって営業活動を行い、アポイントメントから商談、リスト作成などを行っている。
ご依頼内容
対象者は、父の代から継続して勤務している契約社員の男性(46歳)。
年々その社員の男性の勤務態度や素行が悪くなり営業成績も下がっているとのことであった。
そのため、昨年は給与を下げることで双方で合意を得て契約社員の更新を行った。
契約は年間契約で、毎年契約更新をして今年で12年目であるがそれも前社長の意向で会社に残していた意味合いも大きかった。
しかし、会社を引き継いだご依頼者様としては、問題のある社員を残しておくわけにもいかないため困っていた。
その社員は自分が長く勤務しているせいか、新人の契約社員にも強くあたるようになり数人が入社してから、社員の態度が原因で辞めている。
来季の契約更新についてを前もって、更新が難しい旨を伝えると毎年更新されているのにいきなりの打ち切りは納得がいかないとして会社側に訴訟する旨を伝えてきた。
そのため会社側は、万が一訴訟をされたとしても、契約更新を認めない理由が社員の働き方に問題があったという証拠を押さえておきたいとのことであった。
調査概要
会社からのご依頼を受けて、社員が出勤している間の行動を確認する素行調査を行うこととなった。
問題社員の一日の仕事は、朝8時半に会社に出勤し、午前中は営業がなければ事務作業をする。
午後からは、営業回りに出かけて、勤務時間終了である18時前に一度会社に戻ったあと退社するという流れであった。
そのため、会社側から問題社員の行動予定表をもらいうけ、営業で外回りをしている時の勤務態度について確認することが主な調査内容になった。
調査開始
1日目
昼食のために会社を出た対象者は、そのまま営業回りをするとのことであったため11時半からの調査開始となった。
社員は、近くにある牛丼チェーン店で昼食を済ませたのち、会社から車で20分ほど離れた公園へと向かう。
木陰に当たる公園の横に車両を停めて、車内で昼寝をしているのを確認した。
2時間後、起床した社員は、営業先である会社へと向かう。
営業先に着いた社員が、会社に入るのを確認するが5分程で会社から出るのを確認した。
会社を出た社員は次の営業先へと向かうが、またもや5分程で出てくるのを確認した。
2つの営業先を回った後、パチンコ店の立体駐車場に入り、車を停車させた。
停車後、パチンコ店の喫煙所でタバコを吸い、車内に戻るとまたもや昼寝をするのを確認した。
18時が近づくと会社へと戻り、本日の業務を終了した。
2日目
昼食を取った後、昨日と同じ公園へと向かい、またもや昼寝をしているのを確認した。
2時間後、公園を後にすると家電量販店の駐車場に入っていく。
停車後、家電量販店に入ると店内を見て回るのを確認した。
営業先の記載はなかったため、完全に社員の趣味で訪れている様子であった。
家電量販を後にすると、公園へと戻りスマホで動画を見て時間をつぶしているのを確認した。
退社時間になると、会社に戻り2日目の業務を終了した。
3日目
昼食後、いつもの公園へと向かい昼寝をするのを確認。
完全に一日のルーティンとなっているようであった。
いつもより早く1時間ほどで起きると、パチンコ店へと車を走らせた。
パチンコ店に着いた社員は、店内へと入り3時間ほど遊戯をするのを確認した。
遊戯を終え、車に戻った社員は車内で横になり、退社時間まで業務をサボっているのを確認した。
3日目も営業先に出向くことなく、業務を終了した。
4日目
昼食後、珍しく営業先へと向かうのを確認した。
ご依頼者様に確認したところ、昔からのお得意様とのことで営業成績が多少あるのは、付き合いのある営業先が少しながらあるからだとのことであった。
1時間ほどで営業先から出た社員は、いつもの公園へと向かい昼寝をするのを確認した。
4時間の昼寝を終えた後、違う営業先へと向かう。
しかし、次の営業先では5分程で出てくるのを確認した。
その後、コンビニで終業時間まで時間を潰して、4日目の業務も終了した。
5日目
この日は、午前中から営業があるとのことで9時半から調査を開始することとなった。
会社から出て、営業先に向かうと思われた社員の車は、パチンコ店へと入っていった。
どうやら新しいパチンコの導入日ということで、それが目当てで午前中から営業があることにした様であった。
終日、終業時間ギリギリまでパチンコを漫喫しているところを確認した。
本案件の調査を終了することとなった。
調査結果
契約更新の日が近づいたため、問題社員を呼び出して話し合いをすることになりました。
契約更新が難しいことを改めて伝えると、社員はもちろん反発されました。
しかし、普段の勤務態度の証拠を見せると態度は一変して、勤務態度を改めるので契約更新できないかと泣きつきました。
もちろんそんな甘い考えは通ることなく、来年の契約更新はされないことが決定しました。
ご依頼者様からは、『問題のある社員に1年間の給料を支払うより、初めから探偵さんにご依頼すれば良かったです』と仰っていただき、大変満足していただくことができました。