会社でのパワハラやセクハラへの規制は、厳しくなっているものの未だ問題が後を絶たないのが現状です。
いざ、自分が被害者になった場合、どこに相談すれば良いのかや証拠を集めるにはどうしたら良いかと悩まれるかもしれません。
また、証拠を集める際に勝手に録音をしたり、隠し撮りしていいのかも不安になるでしょう。
今回は、自分がハラスメント受けてしまった場合の対処法、証拠がないとどうなるのか、証拠を集める方法について解説していきます。
ハラスメントを受けたら?
いざハラスメントを受けても何も行動できなかったという方が、あるアンケートでは40%もいました。
自分がハラスメントを受けてしまった場合、まず第一に解決に向けて行動をするという意識が大切です。
自分が我慢をすればや自分が何かを言ってしまったら会社に居られなくなるのではないかと思ってしまうのも分かりますが、辛い思いをしながら仕事をしていたら元も甲もありません。
まずは、解決に向けて行動するぞと決心することが大切です。
では、ハラスメントを受けた時、具体的にどのような行動を取れば良いのか見ていきましょう。
①周囲に相談をする
まずは、1人で抱え込まずに周囲に相談してみましょう。
会社内で中の良い人がいれば相談に乗ってもらい、相手も同じハラスメントを受けていたとなれば仲間が増えることにもなります。
また、ハラスメントは一般的に自分の立場より上のひとから受けることが多いともいます。
そうなった場合、とても言い出しにくいと思いますが、さらに上の役職の人や社内の人事や相談窓口があれば、相談窓口に相談してみましょう。
自分の本心も付け加えて話すのも効果的な方法となります。
例えば、本人に自分が話したことをバレたくないのですが内密に済ませる事はできますかなど、あらかじめ心配にしていることを伝えておけばどう対処してくれるかまで話を進めせることもできます。
②また会社内が難しい様であれば、外部に相談する。
会社内に相談窓口がない場合や社内で解決できない様であればまずは、労働局などの無料相談を活用しましょう。
厚生労働所のホームページには電話やメール、LINEでも無料で相談が行えるようになっています。
③ハラスメントの内容を記録する。
ハラスメントの内容を記録するのに最も簡単なものがメモになります。
メモをする際は、5W1Hを気にして書くようにしましょう。
いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのようにを意識し、さらに誰が現場にいたのかや見ていたのかを記録すると尚分かりやすくなります。
また、メールやLINEなどの内容も十分証拠になるため、ハラスメントを受けた内容が分かる様に保存しておきましょう。
④ボイスレコーダーや動画を撮影する。
勝手に録音や撮影しても大丈夫なのかやプライバシーの侵害などを気にされている方もいると思いますが、ハラスメント行為を阻止する等の正当な目的のために必要な範囲であれば、問題とならないケースがほとんどです。
例えば、更衣室やローアングルからの撮影しており、本当にハラスメント行為を撮影するためと言っても認めらずらくなる可能性があります。
第三者から見れば、盗撮と言われても仕方がないので十分に注意しましょう。
暴言や発言、暴力、セクハラの証拠は、音声や映像があれば、間違いなく有力な証拠となり得ます。
また、証拠押さえる際に注意する点は、相手に録音や録画をしているとバレないことです。
バレてしまった場合、普段のハラスメント行為を出さずに証拠にならないものとなる可能性があると共に、相手が逆上して更なるトラブルに発展してしまう可能性があるためです。
そのため、ボイスレコーダーを使用する際には、使う練習をしておいたり、使っていないiPhoneや携帯であれば、不自然なく録音することができるのでお勧めです。
動画を撮影する際には、自分がハラスメントを受けているところがしっかりと映るかどうか確認することが大切です。
また、撮影ポイントに誘導しようとすると変な動きになってしまう可能性があるため、1日で撮影しようとは思わず、日数をかけてもいいから不自然にならない心がけを持っておく必要があります。
証拠を撮影しておくことで、第三者に相談する際に、より具体的に分かりやすく、被害内容の度合いなども伝えることができるようになります。
⑤証言をお願いする。
自分一人では、信ぴょう性に欠けてしまうと思った際は、現場を見ていた人や同僚に証言してもらうのも有効な手です。
もちろん、巻き込まれたくないと思うのは、日本人の悪いところではありますが、ハラスメントを行っている人は、自分だけではなく周囲に行っている可能性も高いです。
被害を訴える人が多ければ多いほど、会社側としては、問題を大きく受け止めることになります。
⑥精神科や心療内科を受診する。
精神科や心療内科を受診して、診断書を貰うことができます。
こちらも、被害を受けた証拠として活用することができます。
また、ハラスメントに悩んでいる人は、我慢をしてしまうことが多いため、療養することも必要です。
自分が壊れてしまっては遅いので、少しでも異変を感じたら病院に行きましょう。
どんなことでもそうですが、時にはゆっくりと休むことも忘れてはいけません。
⑦加害者や会社を訴える。
ハラスメントの証拠を十分に集めきった場合、加害者や会社を訴えることができます。
ただ、訴訟を起こすためには、準備が必要になりますので以下の手順を踏みましょう。
- 証拠を集める
- 会社に被害を報告・相談
- 雇用・環境均等室に相談
- 労働審判を起こす
- 訴訟(裁判)を起こす
労働局での相談が上手くいかない場合は、弁護士に相談することも考えておきましょう。
証拠がないとどうなる?
証拠がなかった場合の一番のリスクは、加害者がハラスメントと認めないことです。
ハラスメントの証拠を持たずに相談窓口や人事部に相談をすると、事実確認のために加害者本人から話を聞くことになる可能性があります。
もちろん、本人からすればハラスメントに対して否定をすることになりますし、ミスを指摘しただけなのですがや捉え方に誤解があったと言うでしょう。
会社としては、お互いの話を聞いて注意をしたということで、問題は解決したとみなされてしまうこともあります。
会社としても、大事にはしたくないと考えるため、できるだけ穏便に済ませようとするでしょう。
精神的に参ってしまう
証拠がないからと言って我慢を続けた場合、精神的に限界が来てしまいます。
うつ病になってしまうと、完全に復帰するまでに何か月も何年も掛かってしまうことも少なくありません。
被害者側が、人生の中で大きな被害を被ることはあってはならないのです。
また、会社や周りに相談をしたのに、結局何も対処してもらえなかったと考えてしまうと余計に精神が弱ってしまいます。
そのため、会社が動かざるを得ない状況にするためにも、決定的な証拠を握っておきましょう。
証拠を集めるには?
証拠を集める方法は、先にも述べましたがボイスレコーダーや隠しカメラなどの録画、第三者に証言してもらうという方法があります。
いざ、証拠を集めようと感じた時にやはりできるかなと不安になってしまうでしょう。
そのような場合には、探偵に相談することも考えましょう。
証拠を撮るための具体的なアドバイスや特殊な機材の貸し出し、状況によっては代わりに証拠を押さえることも可能です。
自分一人で悩まず、まずは誰かに相談することを一番最初にしてくださいね。